CMOからのお知らせ

日本家庭学習支援協会では、家庭学習力向上のために、はたらきかける人を CMO(シーモ)と呼んでいます。 CMOにより、家庭学習力の向上に貢献し、子どもたちの明るい未来をつくっていきます。 CMOを職業として確立することにより、さまざまな教育問題の是正に寄与し、日本の社会、経済発展に貢献していくことを目的とします。

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ヤマト政権は大王(おおきみ)を中心とした豪族の連合政権でした。

豪族は、氏とよばれる集団をつくっており、そこに朝廷が臣・連などの姓(役職・称号のようなもの)を与えて政治に参加させました。

このような政治を氏姓制度と呼びますが、この制度を壊そうとしたのが聖徳太子です。

 

◇聖徳太子の政治◇

・593年 摂政となり政治を行う

天皇が幼少または女性のときの補佐役です。推古天皇は女性でしたので、蘇我馬子と協力し、政治を行いました。

 

・603年 冠位十二階を制定

豪族を家柄にとらわれることなく、能力のある人を役人に採用しました。

 

・604年 憲法十七条 

豪族に対して役人としての心構えを示したものです。

第一条 ・人と争わずに和を大切にしなさい
第二条 ・三宝を深く尊敬し、尊び、礼をつくしなさい(三宝:釈迦、その教え、僧)
第三条 ・天皇の命令は反発せずにかしこまって聞きなさい
第四条 ・役人達はつねに礼儀ただしくありなさい
第五条 ・道にはずれた心を捨てて、公平な態度で裁きを行いなさい
第六条 ・悪い事はこらしめ、良いことはどんどんしなさい
第七条 ・仕事はその役目に合った人にさせなさい
第八条 ・役人はサボることなく早朝から夜遅くまで一生懸命働きなさい
第九条 ・お互いを疑うことなく信じ合いなさい
第十条 ・他人と意見が異なっても腹を立てないようにしなさい
第十一条 ・優れた働きや成果、または過ちを明確にして、必ず賞罰を与えなさい
第十二条 ・役人は勝手に民衆から税をとってはいけない
第十三条 ・役人は自分だけではなく、他の役人の仕事も知っておきなさい
第十四条 ・役人は嫉妬の心をお互いにもってはいけない
第十五条 ・国のことを大事に思い、私利私欲に走ってはいけない
第十六条 ・民衆を使うときは、その時期を見計らって使いなさい
第十七条 ・大事なことは一人で決めずに、必ず皆と相談しなさい

 

憲法十七条は、豪族向けに出されたのであって農民向けではありません。

当時仏教は豪族など権力を持っている人々が信じるものと考えられていました。

また、「和を大切にしなさい」ということから、争いをせず仲間意識を持つことが大事だと説いています。

天皇の命令を聞きなさいという内容は、天皇の下で権力を集中し、国を強くしようという意図が感じられます。聖徳太子の政治は中央集権国家を目指したと考えられます。

 

・607年 遣隋使の派遣

小野妹子を遣隋使として隋に派遣し随と対等の国交を開きました。

この頃、法隆寺(世界最古の木造建築として世界遺産に登録)を建てました。

 

◇大化の改新◇

聖徳太子・推古天皇・蘇我馬子は相次いで620年代に死去します。

その後、蘇我馬子の子孫(蘇我入鹿・蘇我蝦夷)が、天皇をもしのぐような権力を持ち、思いのまま政治を動かします。

せっかく聖徳太子が行った冠位十二階のような制度も使われなかったようです。

もちろん、聖徳太子が目指した中央集権国家にもなりません。

そのような中、645年に蘇我氏の横暴を食い止めようと中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を滅ぼしました。

 

翌年、改新の詔が出されます。次のような内容が示されたと言われています。

 

公地公民…土地と人民は天皇のものとする。

班田収授の法…戸籍を作成。土地(口分田)を人民に与え、死ぬと国に返させる制度。 租・庸・調…税の制度を定める。

 

この新しい政治のことを大化の改新といいます。