「お母さんASEANってなに?」と聞かれたときのために
ASEANとは
1967年に政治的安定と経済成長の促進などを目的に設立された東南アジア諸国の連合体です。
現在、インドネシア、タイなど10カ国が加盟しており、6億人を超える人口を擁するなど、今後のさらなる成長が見込まれる巨大な貿易圏です。
東南アジア地域はかつてタイをのぞいて欧米各国の植民地になっていた時期があります。ASEANではこうした過去をふまえて、人種、宗教、経済力、政治体制など様々な差を乗り越えて安定した平和な社会をめざす取り組みが進められています。
経済面では、ASEAN経済共同体が新たに結成され、関税を撤廃することで、ASEANの結びつきは更に強くなりました。
ここでは加盟国間の経済格差を解消することが主な目的です。
東南アジア諸国はそれぞれに特徴があり、例えばカンボジアには技術力はなくても、多くの労働力が存在します。逆にシンガポールは世界有数の金融市場ですが、労働力や資源には欠けます。
ASEAN共同体はヒト・モノ・カネの動きを自由化し、域内の経済交流を活発化することによって、各国の強みを活かした生産活動を可能にします。
そして、企業の活動を活発化し、海外企業を誘致することで労働者の働き場を増やし、人々のくらしを向上させることができます。
日本も環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加し、太平洋地域との結びつきを強めようとしていますが、各国関税の撤廃をめぐって自国産業を守ろうとする加盟国間での協議が続いています。
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