【中学受験生必見!】〜模試分析④・学校の偏差値はどのように上がっていくのか〜
2学期も始まり中学受験をお考えの家庭は9〜12月にかけてさまざまな模試の受験を検討していることと思います。
模試は受験後の活用方法が大切になります。
学力の位置を知るには便利な一方、数値だけにとらわれていると思わぬ判断ミスにつながってしまうこともありますので、正しく理解し、上手に活用することをおすすめいたします。
今回は学校の偏差値はどのようにして上がっていくのかお伝えします。
① 偏差値の高い子どもが受験する
開成や桜陰がなぜあんなに偏差値が高いのかといえば、当然のことながら受験生が軒並み高偏差値だからです。高偏差値の受験生ばかりが受験すれば、合格が必然的に難しくなり、80%、50%といった合格可能性も上がります。
したがって、偏差値の高い受験生がより多く受験すれば、結果偏差値は上がっていきます。
ではどうすればそういう受験生が集まるのでしょうか。
その一つが上位受験者の併願先になることです。
受験日を上位校とずらしたり、午後受験を導入したりして、併願先に選ばれやすくします。併願先に選ばれれば、受験者のレベルも必然と上がります。
② コースをたくさん設けることで定員を細分化する
特進コースや医歯薬学部コースなどの系統ごとに分けたコース制を導入するようになりました。
この細分化の際、多くの学校は1回の受験料で他のコースも受けられるようになっています。そうすることで、それぞれの回の定員は少なくなりますが、トータルで見れば志願者は増えていきます。
すると、競争率は上がり、偏差値も高くなります。
③ 入試試験の回数を増やすことで受験者を集める
②でのコース設定もそうでしたが、入試日程が細かく設定されれば、1回ごとの定員は少なくなりますが、そこでの競争率は高まり、結果として、模試の成績上位者の受験生を増やし、偏差値も上昇していきます。
中学入試で回数の多い学校は、併願校としての期待がそれだけ高いことにもなります。
例えば、1月受験の埼玉の栄東は東京の受験生が試しで受けることが有名です。
栄東はコース設定の工夫や1回の受験料で複数回受けられるようにしてから、志願者が増えました。
そして、レベルの高い受験生も“お試し受験”するようになり、入試レベルが上がり、偏差値も結果的に伸びました。
学校偏差値を見るときはこのようなことも考慮した上で、結果分析や志望校の選択に役立てていくことをおすすめいたします。
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