【親子で考えてみよう!】お風呂場の科学!
日常生活の何気ないことにはさまざまな考える材料があります。
特に科学は身の回りの現象がたくさん転がっていて「なぜだろう?」「不思議だな?」と思うことは、
子どもの知的好奇心を育みます。
中学入試問題でもこのような日常生活に関する問題は出題されています。
是非、親子で「なぜ?」を体験してみてください。
余裕があれば、お風呂の際に親子で確認してみてください。
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【慶應普通部 理科入試問題】
風呂場には、色々な科学があります。
1. お風呂の温度として最も近いものを次の(ア)~(オ)から1つ選び、記号で答えなさい。
(ア)33℃ (イ)36℃ (ウ)40℃ (エ)45℃ (オ)51℃
2. お風呂につかっている人には、浴槽の底がどのように見えますか。次の(ア)~(ウ)から1つ選び、記号で答えなさい。
(ア)深く見える (イ)浅く見える (ウ)変わらない
3. 風呂につかると、体を簡単に支えられます。より少ない力で支える方法として次の(ア)~(オ)を考えました。このうち効果がないものを1つ選び、記号で答えなさい。
(ア)お湯の温度を高くする。 (イ)お湯の量を増やす。 (ウ)砂糖をたくさん入れて溶かす。
(エ)より多く体を沈める。 (オ)塩をたくさん入れて溶かす。
4. 浴室内にある鏡が湯気でくもることがあります。これを防ぐための工夫としてあてはまらないものを次の(ア)~(オ)から1つ選び、記号で答えなさい。
(ア)鏡をあたためる。 (イ)鏡を冷やす。 (ウ)鏡にお湯をかける。
(エ)窓を開ける。 (オ)鏡にシャンプーを塗る。
5. 浴室では、洗面器を落とすと大きな音がします。同じ理由で起こることを次の(ア)~(オ)から1つ選び、記号で答えなさい。
(ア)自転車のブレーキを強くにざると大きな音がする。
(イ)ハーモニカを強く吹くと大きな音がする。
(ウ)家の二階で飛びはねると一階で大きな音が聞こえる。
(エ)ギターの弦をはじくと、胴にあいた穴から大きな音がする。
(オ)マイクを通して話すと声は大きくなる。
6. お風呂の湯をわかすと上の方が温かくなっていました。理由が同じであることを、次の(ア)~(オ)から1つ選び、記号で答えなきい。
(ア)温かい牛乳を置いておくと、表面にまくができる。
(イ)冬の朝、校庭の地面に真っ白な霜が降りる。
(ウ)クーラーを使う時、扇風機も使うとよい。
(エ)冷凍庫に水を入れて冷やすと、上の方から凍る。
(オ)炊飯器を途中で止めたら、米に芯が残る。
7. 温泉に、「金属類を身につけて入らないように」という注意書きがありました。その理由を次の(ア)~(カ)から1つ選び、記号で答えなさい。
(ア)他人を傷つける危険があるから (イ)お湯が酸性だから (ウ)お湯がアルカリ性だから
(エ)お湯が中性だから (オ)落雷の危険があるから (カ)やけどをするから
8. 大浴場にはサウナ室がついていることがあります。室温が90℃以上で、湯もなく浴槽もないサウナ室の中に入ってもやけどをすることはありません。これはなぜだと思いますか、考えを書きなさい。
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【解答、解説】
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1. ウ
一般にお風呂のお湯は体温よりやや高い40℃前後です。
36℃ではぬるく感じられ、45℃はかなり熱く感じられるます。
2. イ
浴槽から出た光は、水中から空気中に出るときに水面に近づくように屈折します。
そのため、実際より底が浅いように見えます。指も短く見えたりしますね。
3. ア
イ エ
お湯につかる体積が多くあると、それだけ浮力を多く受けるようになるので、効果があります。
ウ オ
お湯につかる部分の体積は変わらない、おしのけた液体の重さが重くなるため、受ける浮力が大きくなり、したがって、これも効果があります。
ア
お湯の温度を高くすると、お湯1c㎥あたりの重さが軽くなり、おしのけるお湯の重さが軽くなるため、それだけ受ける浮力は小さくなります。
4. イ
冷たい鏡にしめった空気がふれて冷やされ、水滴が生じるため鏡がくもります。
したがって、鏡を冷やしても、くもりを防ぐことはできません。
5. ウ
浴室のかべや床は、音を反射しやすい素材でできていて、音が吸収されにくいため、浴室では大きな音となって聞こえます。
二階の音が一階で大きく聞こえるのも、音があまり吸収されないで耳に届くからです。
ア まさつのエネルギーが音に変わった現象
イ 振動する板が大きくふるえるために起こる現象
エ ギターの胴の中の空気が共鳴する現象
オ 電気的に振幅を大きくしている現象
6. ウ
空気や水はあたたかい部分が上昇し、冷たい部分が下降することで全体があたたまっていく性質をもち、これを対流といいます。
したがって、対流に関係するものを選びます。
クーラーを使うときに扇風機も動かすと、下の方にたまりやすい冷たい空気を部屋全体に散らすことができるので、部屋全体を効率よく冷やすことができます。
7. イ
酸性の温泉の場合、金属が腐食するおそれがあるため、入浴時には金属類をつけないようにします。
特に酸性の強い温泉では、銀などでできたアクセサリーが真っ黒に変化してしまうことがあります。
8. 空気は水よりも熱を伝えにくいので、乾燥しているサウナ室の中が90℃になっていても、やけどをすることがありません。
また、かいた汗が蒸発するときに皮膚から熱をうばい、やけどを防いでくれます。
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