【親子でチャレンジ】日本の文化を考える 〜年賀状の歴史と基本的なたしなみ〜
12月に入り、年賀状の準備を始めた方々も多いと思います。
お子様に年賀状のたしなみを伝え、素敵な年賀状を一緒に書いてみてはいかがでしょうか。
年始やお盆の挨拶回りなどの節目の行事が、明治維新後、郵便制度の発達と共に書状という形をとって定着してきました。
昔、人々は1年を2期に分けて考えており、その始まりが正月とお盆でした。
人々は期の始まりに、贈答品を持って「今期もよろしく」と挨拶回りに走り、もしくは挨拶の集いに参加しました。
江戸時代では、武家仲間から親戚関係、ご近所などの家を、元旦から1月末まで毎日回り続ける人もいたそうです。身分の高い人は訪問を受け、低い人は訪問回りする役でした。しかし、さすがに遠方のお宅には訪問することができないので、江戸時代の身分のある人々は飛脚便などを使って書状や贈り物を届けました。
このような習慣が明治6年にはがきの郵便配達が始まったのを機に、遠方以外の人にも挨拶状を送る習慣が広まっていきました。
年賀郵便の制度は明治39年に始まり、昭和24年にはお年玉つきはがきが発売され、年賀状は普及していきました。
一方、暑中見舞いはがきを送る習慣が広まったのは大正時代のようです。
普段会うことも、連絡を取ることがなくても、過去にお世話になった人、親しかった人などに、「新しい年を無事に迎えることができました」、「今年もいい年になりますように」、「今年もよろしくお願いします」など、送り主が、相手を思って年初めてのあいさつをする。日本人の人を思う日本人ならではのこころから生まれたものなのかもしれません。
【年賀状の基本的なたしなみ】
・期間について
年賀状は1月1日~7日の間に到着するように送りましょう。
7日をすぎるようであれば「寒中見舞い」として出してください。
・基本的な書き方
①賀詞
「謹賀新年」
※念頭の挨拶は相手の立場によって使い分けるとよいと思います。
(目上の方の場合)
謹賀新年/恭賀新年/謹んで新年のお慶びを申し上げます など
(目下・友人の場合)
賀正/迎春/頌春/新春/慶春/寿 など
(親しい友人の場合)
明けましておめでとう/A Happy New Year など
②お礼
「昨年はお世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。」
※去年という言葉は使わない。旧年もしくは昨年。
「去年」の「去」という時は離別死別(=去る)を連想させる忌み言葉なので年賀状には使わないようにしましょう。
③幸福を願う
「ご多幸をお祈り申し上げます。」
※健康や幸福の言葉を一言そえる。
④日付
「平成二十九年 元旦」
※日付を忘れないようにしましょう。
印刷された年賀状であっても、手書きで一言添えるだけで、
相手に与える印象は大きく変わります。
近況報告や、新年に向けての豊富などの話題を書き添えられるととてもよいと思います。
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